八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

旧上野庁舎 再訪

旧上野庁舎の保存リ活用に尽力されている伊賀の建築家滝井さんが見学の機会をつくっていただいたので、便乗させていただきました。

建物はPFI事業による再利用が決まりその手続きが進められています。現在は完全空き家で電気・水道も止められている状況。完全閉鎖なので普段は入ることができません。

今回は同じ坂倉準三設計で保存か解体が今検討されている羽島市庁舎の保存活用を目指す方を案内するのがメインの見学会でした。名古屋で「渋ビル」研究をされている謡口さんも参加されました。保存活用に向けてのいろいろな課題を伺いながらの見学でした。坂倉建築に深い興味を持っている方々なので、マニアな見学会です。

再利用は図書館をメインとしたものになるようで、空間性を損なわないよう、市側からのチェックが入れられ、その価値を維持できることになっているようです。

かなりのキャンティレバーが特徴的な南端部。この下は、いい遊びのスペースなっています。

長い柱のプロポーションが2階ボリュームの浮遊感を感じさせる

地形の高低差を活かした天井の高い1階南側。奥行のある空間の奥まで明るく見通せます。当時としては破格に大きな執務空間だったと思います。中央にトップライトを設けているのもそれに配慮したのでしょう。

2階の屋上庭園は雑草が見事に育っていました。活力ある緑色で元気づけるにはプラスイメージとも言えます。

以前は消防署が入っていた北端の部分。街の魅力を発掘すると共に庁舎活用の一端を見せるための写真展を滝井さんたちが企画しています。

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