八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

屋根・外壁 メンテナンス

1972年竣工の鉄筋コンクリート造の住宅の屋根、外壁のメンテナンスを行いました。。

設計は吉村順三先生で、コンクリート造の住宅を造り始めた頃の作品です。

2009年に躯体だけ残して、全面的に改装させていただきました。家族構成と変化とEVの取付などに対応したものです。その際は外壁の劣化は少なかったのですが、今回パラペット部分などにクラックが見られるので笠木をつけ、新しくシート防水を掛けました。

これから、永く残していこうとする施主の意向による大掛かりな補修工事となりました。内装は吉村先生のものとは変わっていますが、躯体の持つ空間性は既存プラスアルファで心地良いものになっていると思います。前回は外部は当初の物を踏襲しましたが、新しい世代への引き継ぐ意味合いも含めて、サッシュの色を明るいものとしました。吉村先生の質実剛健な感じからは少し外れてしまったかもしれませんが。

なによりも使い続けていただけるのがうれしいところです。

木々が多くなって建物を取り囲んでいます。窓辺も当初からプランターで植栽が配置、

前回から自動散水としています。

3階テラス部は新しく置き型のプランターで植栽を設置。今後のメンテナンスのしやすさに配慮しました。植栽での目隠し、内部からは植栽越しの風景となります。

 

京都 手作業

照明のシェードの製作依頼に京都祇園の照明屋さんへ。

和風のシェードをたくさん商品ラインナップで持っていて、特注も容易に受けていただけるようで、こちらの希望する細かな思いに応えてもらえます。

長年の経験から、こちらの意図、寸法のできるできないを、前向きな姿勢で相談にのっていただけて、心強い印象です。

店内にたくさんのサンプルがあるので、具体的にイメージを伝えやすく、材サイズも容易に確認でき便利です。

表現しにくい材質感も現物があって、作り側とイメージが共用できます。

作るときの難点とかの説明してもらうと、製品のありがたみも増します。意図が通じ合うとものつくりの楽しさを実感します。

経年変化の素材、職人さんの上手下手のでる材料。作り甲斐もあります。

木場

木材商の集まる新木場へ、店舗で使う無垢材の確認に行ってきました。

たくさんの木の中で自分のイメージの木を探してもらうのはなかなか困難で、めぐりあわせを感じる作業です。

採用したのは、楠。この前の店舗と同じ樹種となりました。自分の好みに合っている木のでしょう。4枚の板を使うので、いつも以上に板取りが難しい。

材木屋さんにはたくさんの木がありますが、一覧で見れるわけではないので、材木屋さんとの気持ちの通じぐあいで、めぐりあえる木が変わってきます。

倉庫にあるたくさんの木、その奥に海が見えます。昔は木を浮かべていた木場の風景です。変わっていく東京の中で、昔から続く歴史を感じるところです。

普通の材木屋さんではあまり見かけない丸太のままの木。この状態で乾燥させ、その後にスライス。木のねじれ、反りを抑えてるためです。クヌギの木。

仮木取り。仮でも責任重大な作業。

倉庫内の木。奥は海。

倉庫の裏の海。仮面ライダーの戦いの場だった記憶が。

南伊勢 

空家活用のお話を伺いに南伊勢町五ケ所浦に行ってきました。

ここに来るときは、いつも天気がよく、穏やかで住み心地がよさそうです。五ケ所といえば、美味しいミカンの産地として昔から有名ですが、そんなことも、この好印象につながっているように思います。いい所です。

f:id:hatt88:20220226134839j:plain

f:id:hatt88:20220226112713j:plain

かなり奥まった湾なので、海は穏やかです。地元の方に伺うと波立つことも有るらしいです。今日は湾内にイルカが入ってきてるとのこと。同じ三重県でも自然に近いところです。

f:id:hatt88:20220226113959j:plain

海に浮かぶのはアオサの養殖だそうです。この海に接して空家活用物件があります。

空家を改修してレンタルキッチンとしています。フレンチ料理人やパン屋さんとかが

日替わりで営業しています。1軒のレストランだと外来者の少ないこの地区で継続していくのは難しいようですが、変わっていく店だとうまくいくようです。観光客を当てしない考え方が素敵です。

f:id:hatt88:20220226114611j:plain

f:id:hatt88:20220226131951j:plain

南伊勢の帰りに、今話題のVisonに寄ってみました。

コロナ禍のなかで、なかなか盛況のようでした。人気のお店が並んでいるので、人が集まるのでしょう。建物もそれぞれ質感のある感じで作れていますが。

場所としての魅力はすこし物足りない感じです。中央を通る道路の両側にショップとホテルがゾーニングされているので、今回作られた建物を見る景観は、気持ちよい風景とは思えません。地形と配置の工夫や全体で感じられるテーマのようなものがあるとよくなったかと思います。

f:id:hatt88:20220313232242j:plain

f:id:hatt88:20220313232259j:plain

f:id:hatt88:20220313232403j:plain

f:id:hatt88:20220313232446j:plain

f:id:hatt88:20220313232520j:plain

 

コンクリートの外壁

コンクリートの外壁は、素材感のある質感、シンプルな表情で多くの建築家に好まれた意匠です。1980年代に特に多かったように思えます。

30年以上経って、汚れや劣化の対応が求められるようになっています。竣工当時の状態に戻すのはできないので、何かしらの補修で対応しています。広島の平和記念館は耐震改修をかねてかなり大掛かりの補修をして、きれいになってました。

自らに関わりある物件を確認してみました。

吉村順三設計の住宅(1973年竣工)

多くの住宅は白い塗装となっています。元もと塗装だったものもあるのだと思います。

f:id:hatt88:20211219235851j:plain

○芦屋市市民センター・ルナホール(坂倉建築研究所 1970年竣工)

有名な模擬コンクリート補修工法で改装してます。95年の関西震災の際、一部損傷しましたが、元のように復旧されました。かなりの費用をかけて修復されているのは、市民から愛されている表れでしょうか。

f:id:hatt88:20211026132343j:plain

f:id:hatt88:20211026133435j:plain

f:id:hatt88:20211026132509j:plain

○名栗げんきプラザ(坂倉建築研究所 1985年竣工)

全面塗装となっています。コンクリートの劣化は少ないようでキレイな印象です。

山深い立地の施設で、空気がきれいなのでコンクリートにも良い環境なのでしょうか。

元のコンクリートは、当時坂倉事務所でよく使われた黒っぽい印象のコンクリート色だったのですが、現状の塗装はそのイメージを引き継いでいるように見えます。

f:id:hatt88:20200829095124j:plain

f:id:hatt88:20200829100133j:plain

武者小路実篤記念館(1985年竣工・90年増築)

汚れや細いクラックが出てきているので、補修が計画されてます。85年の部分の北面外壁は、現在もしっとりした感じが残っており何もしなくてもよいくらいです。ここも黒っぽいコンクリート色です。増築部分はコンクリート表面を加工して、表情に変化を付けています。この表情の維持は難しいです。

f:id:hatt88:20210722105233j:plain

f:id:hatt88:20211220002026j:plain

北面の状況。コンクリートにやさしい環境。

f:id:hatt88:20211220002138j:plain

 

三重短大 授業協力2日目

三重短大 設計授業の協力2日目です。課題説明の日から2週間経って、学生さんたちはそれぞれの住宅案を作ってきました。

日本建築家協会6名で、分担して案へのアドバイスを行いました。案を見せてもらったすべてが間取りはできていて、昨年に比べると今後の完成度に期待が持てます。

間取りができている分、その学生さんの主な関心事が判別しにくくて、どの部分に注力して進めるのが適当なのかアドバイスがしにくいので、こちらとしては昨年より悩ましいことになりました。

f:id:hatt88:20211209000718j:plain

学生さんたちの真摯な取り組みをみると、設計の楽しさところが表れているように思えます。私たちにとってのリフレッシュ授業です

 

www.hattake.co.jp