八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

環境建築?

名古屋市内の環境建物をみる見学会に参加。

タマディック名古屋ビル。設計は坂茂さんです。無垢の木を積層したものをたくさん使っています。板とか棒がこれまでの木の建材のありかたでしたが、塊として木を使います。一般にはそのまま積むことでログハウスのように壁や柱の要素にそのまま使う感じです。

今回の坂さんのは鉄筋コンクリートとこの木の塊を合わせた独自の使い方でした。普通コンクリートの建物をつくるときには木の仮の枠を作り、そこにコンクリートを流し込み、枠を外して作っていきます。枠は基本的には廃棄処分となります。今回は木の塊をそのままのコンクリートをつくる枠に使い、そのまま室内の仕上げにしています。捨てるものが減り、エコなわけです。木の塊は、構造上も強度があるので、床を支えることにも役立って、コンクリートの量も減っていると思われます。床も同じように作っているので、出来上がっていた内装は全て木になっています。木の囲まれたオフィス空間は癒しの効果も期待できます。

木がそのままが外部にあると雨で痛むので全てガラスで覆われています。居室部分のガラスはセンサーにより、サングラスのように光を通さないように色が変化します。この仕組みで入ってくる熱を制御しています。このガラス1枚の中の部分で色が変わるのでこれまでにはない不思議な見え方をします。

設備面でも天井が木の直の仕上げなので、空調の要素が天井に入れられません。そのため床下から空調空気をじんわり出す仕組みになっています。この仕組みだと足元から暖気がでるので暖房環境に優れています。建物のつくりとして、人にやさしい建物ですが、この事務所ビルにはサウナがあって社員が容易に利用できるようになっています。ソフト的にもやさしい建物です。

 

淺沼組名古屋ビル。設計は川島範久さんと淺沼組さんです。

30年経った自社ビルのリニューアルです。道路側に外部空間を取り入れるのと1,2階を吹き抜けにし、一新した接客空間をつくっています。外部の植栽と木や土の自然素材感を活かした癒しのオフィスとなっています。コンクリートの劣化調査を行いあと40年くらいは使えるとのことで、地下躯体解体を含む新築とのコスト比較と再利用の実施例をつくる営業効果も考えての選択だそうです。

素材を活かした要素

既存躯体の床を抜くと広がりと同時に躯体の力強さを感じます。また時を経たコンクリートの表情もなぜか魅力的です。

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