八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

伊勢の空き家

所属している日本建築家協会三重地域会の催しの建築ウォッチング、建築好きを集めて街を見て回るイベントに参加しました。コロナ禍になってから県内の街を歩く会が続いています。今回は私がまとめた会報誌の空き家特集に関連して、伊勢の空き家活用を見に行くことがメインとなりました。

伊勢の河崎町の町並み保存に取り組んでいる高橋徹さんの案内で、よりディープな街歩きとなりました。伊勢市駅を出発して、外宮参道の旅館山田館。参道の建物活用の状況をお聞きしました。参道脇の旧山田郵便局電話分室は、ドイツ調の外観の建物でフランス料理店として使われています。電話局とは思えない内装でこだわりのある料理店にはぴったりです。

 

次は式年遷宮館。栗生明さんの緻密な設計の建物です。三重県屈指の質の高い建物だと思います。遷宮のための行事を高橋さんの解説で建築に関わるところを重点的に学習できました。

外宮正殿をお参り、ここでも普通では見逃しているところを見ることができました。神路通りを通り路地を散策、旧御師丸岡邸を見学し、お昼は料理旅館奥文さんでと御師の接待を垣間見る気持ちでした。

午後はメインの河崎の町で旧家の利用状況の見学です。河崎旧家を保存することを目的として、使用維持しているので、利益を上げる運用はほとんどないようです。新しく町に入ってきた人もわずかなようです。古い町のコミュニティが新しい活動をやりにくくしているところもあるようにお聞きしました。

長年町並み保存に尽力している高橋さんの近隣力は絶大で、どの家でもちょっと声かけると自由に見せていただける。真に地域に根差した建築家です。いろんな問題が高橋さんに集まってきて、それの解決の橋渡しに尽力している時代劇に出てくる親分ような存在です。

格子の上の瓦は一枚瓦で壁から持ち出し、なので庇が薄くできてる。格子も下で受けてるので全て繊細。

伊勢の町屋の特徴の雨よけ、出格子の詳細、雨戸の壁内への納まりなど今回は解説付きで詳しく見てこれました。

www.hattake.co.jp