八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

小嶋一浩の手がかり展

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私の好きな建築家の小嶋一浩さんのGAギャラリーでの展覧会。小嶋さんは昨年、急逝されました。私が大学にいたころ、活躍され始められて、常に注目している存在でした。施設の新しいしくみを提案し、それを具現化した新しい形の建物をつくってこられたように思います。

とくに学校建築では、そうした取り組みが成功し、新しい形態の建物により可能となる新しい教育のしくみを実現して高い評価を得ています。埼玉の新興住宅地では、小嶋さんたちの設計された学校の評判がよく、その町に住みたいと多くの住民が集まったといわれるほどでした。建築の力で街の評価を上げるのは、建築家にとってこの上なく名誉な感じです。

しくみを尊重した設計でも、理論的に頑なになっていくのではなく、各所に建築的な面白さも取り込んでいくので、楽しさのある建物になっています。建築に関わっている人しかわからないようなこだわりがあったりして、つねに学生が設計したような挑戦的な要素を感じられるところが魅力です。

展覧会は、スタディの過程で作られた模型やメモ、スケッチの展示と最後の仕事となった山元町役場についてのインタビュー映像が流され、楽しさを発見・作りこんでいく設計の様子がうかがえます。

インタビューの山元町役場は、この夏着工しました。出来上がるのが楽しみです。

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