古民家という感じではないですが、築年数の高い住宅のリフォームです。耐震補強も行っています。
極力既存のものを残して、快適に住まうことを目指したものです。現在新築で使われている新建材、樹脂製品を極力使わないように使用材を提案しました。
一番大きく改装したキッチン。低かった古い天井を撤去し、目一杯空間を広げました。
北側で暗かったのですが、天窓をつけて明るさも十分です。
キッチンは扉をつけずオープンな棚で、棚はキャスターで引き出せるので、棚内の掃除も容易です。天板はステンレスで機能的な形状で製作しました。キッチン端には、将来薪ストーブが置けるように本物のレンガを積んで耐熱対応しています。
洋室も天井を撤去し空間を広げています。昔一般的だった丸太の梁が見える形としたのでより質感のある部屋となりました。キッチン同様断熱材を新たに敷設し、住宅性能を上げています。
建具は既存をキレイに磨いて再利用です。転用したところは一旦バラして建具の寸法を詰めたりして取付ています。
お風呂は機能面を優先してユニットバスの変更。但し以前のお風呂にあった小窓は再利用しています。窓を開けるとキッチンの人と話ができます。窓はどちらも木製です。
汲取りだったトイレも化しました。できるだけ昔のままなので、私的には旅先の雰囲気の良い旅館のトイレみたいな感じがします。手洗い器も以前のを活用。水栓は手洗いにマッチするものを選びました。
古い手洗いに適合する金属配管が無かったのがちょっと心残りです。
簡易屋内の洗濯場。ちょっとオシャレさも感じられる明るい作業場になっています。
床は土間にヒノキのスノコを敷いて、半屋外的なザックリ感を残しつつ、上足で快適に使えるようにしています。
古いものを残すことで、家への思いを繋ぐ貴重な仕事となりました。施主さまの許容力の大きさの賜物です。