設計は渡部和生さんです。渡部さんの建物の特徴は紙のように薄い屋根と壁の構成です。震災前にも見に来ましたが、屋根に若干のひずみ、陸屋根になってるテラス部に防水補修の後はありますが、ほぼ変わりない様子です。
池に向かって下がる傾斜地に、地形に沿って作られています。池際にテラスと大きな開口、傾斜に沿っているので2階も設置している良い構成の計画です。
エントランスの庇、大屋根とも、厚みが極小です。中外同じ厚みなので断熱要素もいれにくそうです。軽やかで開放的な建物は、設計関係者から見ると魅力的ですが、一般の人にもそう感じてもらえるのでしょうか?
施工が大変な要素がいっぱいです。
三春町立三春中学校(福島県三春町・2012年竣工)
設計は子供施設を得意とする仙田満さんの環境デザイン研究所です。町内3校の統廃合による新しい中学校です(ダムによる廃校とのこと)。丘の上作られた運動公園の南端の山際に立地しています。ふつう南側に運動場、北側に校舎というレイアウトが多いですがここは南側に山を背負っているのと、運動公園からの連続で北側アプローチになるので南側に校舎です。プロポーザルの条件で校舎南のレイアウトとなっているので、プロポーザル要綱を作った方が決めたのでしょうが、この地には適していると思います。
構成の特徴は教室棟がロノ字型の方形平面、それに並ぶように体育館が横並びになっています。アプローチから見ると2つの四角い建物が並んで見えるのは普通の学校と異なります。
南側の山の上を周る遊歩道があって、学校全体が見降ろせるのも楽しいです。
シンプルな構成でまとまっている感があって、きちんと整理することの良さが伝わるような気がします。
中は見れませんでしたが、普通の校舎構成と異なる中庭(中央空間?)に面する部分での開放感、縦方向のつながりがあると、この構成のメリットが活きると思いますが、どうなっているのでしょうか?