八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

地鎮祭

祝!田園調布の住宅の地鎮祭。神主さんはシンゴジラにも出てきた地元浅間神社の神主さんです。

田園調布町会さんや風致地区・景観計画など規制がたくさん関わってきて、工事に至るまで、多くの関門がありました。それだけ街の人たちの街並みに対する意識が高い場所です。

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祭壇の向こうは、ほぼ同時工事のお隣のハウスメーカーのフェンスです。

駒込の長屋見学

藤井亮介さん設計の長屋を見せてもらいました。山手線駒込駅、駅近の立地です。広くない旗竿敷地で形もいびつな敷地で、通常の共同住宅ではなく長屋形式で住戸数を確保しいます。木造3階で14戸だそうです。

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長屋なので各住戸接地しているため、3階までは結構長い階段を通って部屋にいたることになります。見学できるのは半数くらいでしたが、全部見終わるとかなりの達成感がありました。各住戸は2.73mの巾で出来ています。そこに0.9m分の階段が通るっているので長細い印象です。敷地の形に応じ各住戸の長さがかわります。

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各住戸2.5m天井高さの部屋が1つあることやロフトをつくることとそこに至る階段を組み込んでいくことは、かなりの労力がかかったと思います。普通じゃない部屋の高さ構成とセンスの良い素材選択でマイナス面を補う魅力あるものでした。

全体の外形は敷地によっていますし、屋上テラスも各住戸で違うので小山のようなイメージです。また部屋の間は区画壁で厚くなるので塊の中をひも状にくりぬいていっているので、たとえると蟻塚のみたい建物かと。木造の割には組石造ぽい感じがしました。

見学会にこられてた方が西沢立衛さん設計住宅に住まわれているとのことで、その家の壁の厚さが75mmでその薄さによる外部への親近感をその場でお聞きしたのが、この長屋とは逆で開放感をより想像できるお話でした。壁が薄いことの魅力をより強く思えます。

祝 オープン

3月1日。改装設計をさせていただいた天一 博多がオープンしました。

27日深夜、家具搬入状況の確認とお店のメインの装飾となる漆のパネルのセッティング。

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パネルは漆の主産地輪島のキリモトさんに特注で作ってもらいました。通常の塗りものではなく、布着せという技法をつかって、表面のテクスチャーの違いによる表現。和紙・綿・麻の下地により、色合いも違います。経年でのそれぞれ色変化進度の差を想定しています。

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お客さんが座ったときのみえ方、パネルに当てる照明の加減(お客さんがまぶしく感じないぎりぎりの設定で)を確認して位置を決め、壁面の金箔を傷めないような固定を相談して午前3時半までの作業となってしまいました。

28日は朝から引渡し作業。施主さんとの最終チェック。その後、備品のセッティング作業です。

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テーブル席同士の距離感を保てせるために新しくいれたキャビネット。北海道旭川でみつけた製作家具屋さんのもの。北海道から遥々九州に運ばれてきました。一般に北欧風の丸い家具の多いのですが、そうじゃないシャープで細かなディテールでつくってあります。材の少し強いイメージも魅力です。新装開店に合わせた天バラひつまぶしも試食させていただきました。

1日オープンです。

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メインの意匠は本物の金箔と漆のパネルの組み合わせ。既存のトラバーチンの隔てと明るい木の椅子をいれることで圧迫感のない豪華さを目指しました。

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福岡なので金印のイメージで、洗練された印象ではなく力強く素朴な感じとなる金箔を選びました。漆のほうも同じような選択で。金箔も漆も経年での色合いの変化を期待しています。お店を大切に使われる天一さんなので、長く使った分の価値が見えるものをと考えました。

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博多のショップ

改装作業中店舗の現場確認に福岡市に。JR博多駅ビルのレストラン街の店舗です。

今回部分改修のなので、工事は2週間ほど3月1日オープンです

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改装オープンする店舗の装飾備品を検索するため、福岡市内のインテリアショップを散策しました。

結構センスよくお店を作っています

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スレートの倉庫の前にテント屋根とビニールのテラス席を作っているレストラン。

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洋服屋さんも今風・都会的で安っぽいさはありません

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インテリアショップは地方の製作者の商品を集めていて、お店の人の工夫とセンスを感じるところが多いです

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こちらの店舗は福岡市隣接の糸島市にゲストハウスを作って町おこしの活動もしているそうです。カフェも併設。

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福岡トヨタのビル。1階に輸入家具メーカー、地下にはレストランが入っています。トヨタの高級車と高級家具が並ぶファサード構成はちょっと上手です。

アアルト展

名古屋市美術館のアアルト展「もうひとつの自然」に見てきました

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展覧会はアアルトの人物・経緯を示す部分が多い印象で、建築作品はあまり紹介されていなかった印象です。椅子や建築パーツなど実物の展示は、北欧デザインを実感をもって見れてよいものでし、ミュージアムショップで販売していたartekやiittalaの製品もフィンランドデザインの魅力をみせていて、フィンランド製品の展覧会としたほうが集客しやすかったように思えます。

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近代建築の世界を代表する3人の一人とされているアアルトですが、その中で最も地域性を感じさせる建築家です。シンプルにつくられる形はインターナショナルスタイルと区分けできますが、自然豊かなフィンランドの雰囲気からできる素朴なデザイン、土着的な建築の印象をつよく受けます。

都市計画や大きな建物の設計から、家具・把手などの建築部品など手に触れる部分まで、繊細に設計するスタイルは、大学の恩師の設計活動と似通っていたので、とても関心のあった建築家です。学生のころにフィンランドとドイツにある建物を見て回りました。アアルトの建物は森林のなかにあって自然と一体として感じるのが素晴らしいです。パイミオのサナトリウムの最上階、日光浴のできるテラスからの果てしなく続く森林を鳥瞰する眺めは最高に素敵でした。ロシアに接する街にあるイマトラの教会は、偏狭の街に小さく丁寧に作られた上質な建物で遥々訪れたことが一入良かった印象です。

森や湖が多く、切り立った山のない平坦な印象、太陽の光の柔らかさ、いつまでも明るい夏の日などフィンランドの自然の中にあるアアルトの建物は、ほかのどこにもない独自の魅力がありました。

 

 

みえの気候風土適応住宅 第2回勉強会

2回目となるみえの気候風土適応住宅勉強会。三重県建築士会・設計事務所協会・建築家協会の勉強会に所管行政庁も参考参加して行われました。

2020年に住宅にも省エネルギー規制をかける方針が出たことを対し、規制に対応しにくい伝統的工法の住宅や断熱気密に頼らない地域気候を生かした住宅の存続の枠組み作りを目指した勉強会です。急ぎ対応すべきと3団体を取りまとめた会ですが、昨年国土交通省の実施したの現況調査の結果を鑑み、2020年の規制は住宅への義務付けは先送りされる見通しとなってきました。現状の中規模以上の建物で省エネ対応率が91%なのに対し、小規模建物は60%程度しか達していないこと、小規模建物に関わる人材、設計・施工・審査機関とも、省エネ対応に熟達していないことから、早期の実施は市場に混乱を来たすという判断があるようです。規制自体の義務化は見送りでも、消費者に省エネ意識を持ってもらうよう、省エネ適合の合否を告知することは設計士に義務付けされそうです。

切迫感はなくなったものの、伝統的工法の継続や三重県の特徴となるような住居形態の研究は建築設計に関わる人たちにとっては、非常に意味深いテーマなので、引き続き勉強会は継続されることとなりました。政策から派生した事柄ですが、三重の特色が見出されることに期待大です

三重短大 授業

三重短大住居環境コースの住宅設計課題の指導協力。12月の図面エスキース指導から1ヶ月半の今回は、作品講評会です。

コンセプトシート・図面・パース・模型が成果品です。1年生2個目の設計課題なので2ヶ月間まじめに作業しても、成果物を揃えるのに手一杯な感じです。

そんな中でも憧れの豪邸といえるようなものや実現が難しそうでプロの設計士では発想できないような楽しい作品が数点ありました。学生さん自身の説明では、計画の魅力がうまく表現しきれていないこともあったりして、講師の方々が魅力をフォローし、設計の見所を解説しました。時にはその作品から、発展しそうなアイデアを言い合ったりして、学生さんたちに建築の自由さや楽しさを感じてもらえるような講評を心掛けました。

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