みえ木造塾第6回は構造設計の山辺豊彦さんの講義と木構造の載荷実験です。
前半の講義では、中大規模の木造建物の実例の紹介を通して、注意すべき事項のお話いただきました。
後半は耐力壁の耐力実験です。塾生の考えた耐力壁を山辺先生の監修のもと、実験してその耐力を検証していきます。
1つめの実験体は斜めに小幅材をくぎ打ちした壁。一般に合板張りで対応する耐震改修に意匠的に見栄えの良い板材での耐力確保ができないかという試みです。写真のような装置で横から押したり、引いたりして1/150の変形時の強度を測定します。
簡易な壁倍率算定では2.4倍と合板張りに近い強度を発揮しています。
引っ張り側の材は木が競ってしまい面外に膨らんでいます。反ってしまった木も木自体は破裂しているわけではないので、合板のようにグサグサにはがれて耐力の急激な下降はないと思われます。
2つめは、塗り土壁となる壁の増強を従来の貫構造に準じた形としたもの。貫状に通し、交点でくぎ打ちしたものです。結果は約2.6倍。一般的な貫構造よりくぎ打ちの効果があったと思われます。より荷重をかけると耐力の増加はあまりありません。
今回の試験体はどちらも高技能の大工さんが入念に作成しているのでその精度の良さも強度向上に貢献しているといえます。