稲沢市市街化調整区域内での住宅に建設のために、稲沢市役所へ許可申請のヒアリングに行ってきました。
市庁舎について何の予備知識もなかったのですが、かなりの気合の入った建物です。
1970年、満野久(ゲンプラン)さんの設計だそうです。大きな屋根の下に部屋がぶら下がったような形態をとっています。屋根には穴が開いた部分があってその下は屋上庭園で竹が植えてあったりして、立体的に変化に富んでいます。
基本単位を守って建物を構成していく、根気のいる設計手法で設計者の力量の高さが感じられます。屋根を支える柱も先細りしたデザインで几帳面に設計していることが感じられます。内外装ともコンクリートと建具のみを基本構成としているので、ごまかしのきかない作業が設計・施工ともに要求されるものです。
内部メイン空間である市民ホール(窓口)は3層吹き抜けの大きな空間で、基本単位で構成される格子梁に組み込まれたトップライトから落ちる自然光で外のように明るい環境になっています。周りの壁は意匠の施されたコンクリート壁でしっかり囲われて静かで落ち着いた雰囲気があります。(津波や集中豪雨で冠水してもびくともしない感じ)
付属する建物も本館の立派さを妨げないながらも、建築的な魅力をもった気持ちの良い構成になっています。
これほどの設計をしているのに、情報が少ない満野さんは、どんかたなのでしょう?