八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

みえの気候風土適応住宅 勉強会

コロナ禍のこともあり、6か月ぶりの勉強会となりました。

今回も建築士会・設計事務所協会・日本建築家協会と三重県から2名ずつの参加です。

国交省の告示が公布され、土壁の真壁造りのもの、落とし込み板壁造りのものは、大半、外皮計算の緩和ができることとなってきました。気候風土適応住宅という名称で鵜ですが、伝統的構法を維持するための制度ということがはっきり見えてきています。告示では日本中のどの地域でも通用するような適応条件なので、勉強会の主な話題は、この告示が適応できない三重の伝統的な形式の住宅があるか、そういった住宅を適合とする条件をどのようなものにするかに絞られてきました。

メンバーから出された告示適応外の例は、土蔵のように土壁でも大壁造りになったものは計算が困難、昔ながらの開口の大きい住宅は開口での熱損失が大きくて外皮規制をクリアできない、街並みをつくるために一部を昔ながらの木製建具を使うとクリアできず伝統的な形態が不可となってしまうなどでした。

伝統的な構法・街並みつくりなどをどの程度重視するかで、各地域の適応住宅の許容範囲は変わってきます。今後勉強会では、三重の伝統的な住宅の形態の勉強や他県の状況を集めることとなっています。

 

梅雨明けの地鎮祭

本日8月1日。朝9時からの地鎮祭

遅くなっていた梅雨明けが発表されただけあって、夏らしい日差しで朝一の地鎮祭で良かったという気持ちでみなさん臨席。

南東斜面地という敷地条件がよいのか、高いほうからの風が通り、比較的涼しく感じられました。

昨日までの梅雨ムードを一新する晴れ渡ったスタートの日となりました。今回住宅は特異な要素は少ないですが、特別な家となるように、これから細まかな現場仕事です。

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小さな家 見学

井上洋介さん設計の住宅を見せていただきました。

夫婦2人のための18坪の小さな家でした。吹抜でつながった1ルームで1階、2階とも井高さを抑えて連続感があって狭さを感じない空間構成です。ローコストを目指した材料選定もざっくりした雰囲気でまとめられて、井上さんらしい素材感のあるいい家でした。

屋根の波板鋼板、外壁はモルタル、内壁も下地まで仕上げ(井上さん好みの材料使いですが)など、節約しつつも素材感がしっかり出ているのは、既成・新建材といわれるもので包まれたハウスメーカー住宅比べると、格段豊かな生活が送れそうです。

きちんと作るとコスト的に既成品仕様の住宅の38坪クラスと同じくらい掛かってしまうのが悩ましいところです。

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15年前の建物

15年ほど前につくったレストランから、空調機の耐用年数切れで、設備更新の相談をいただきました。土地代高いところでスペースを効率化と空間の印象を重視して天井内空調機を隠ぺい配置しています。機械の交換となる大きく天井を剥がす必要があります。

それ以前は空調の中央一括方式で機器のためのスペースがありその部分のみの工事でしたが、配置の場合は居室の内装工事を伴ってしまします。以前は商業施設は短周期の改装があり、その際に交換していて機器のためだけに内装を壊すことが少なったと思います。お店を大切に使ってもらうと、機器の交換が先にやってきて心苦しいことになってしまいます。近年気温上昇が著しく当時の外気温設定より、想定温度が高く設定されます。今回機器の更新に合わせ、能力を増強とお店の営業形態により合うように再検討します。

時間が経過し、当初の想定通りの植栽の充実、時を経た材質感が出てきています。

古くなったものの趣が出るよう石材や鉄装飾、建具などをイタリアで作ってもらったものを使っています。その注文のために行ったイタリアの街では、昔から素材感のあるものを使い続けているので、今でも古くからの質のよいものが日常的な普通の仕事として、作られているように感じました。普通に使っているものなので、特別高価な値段にならないということがうらやましく思いました。

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学童保育所 上棟

5年前に作った学童保育所の増築部が本日上棟しました。

利用する児童数の増加により、これまでの施設では賄いきれず増築が計画されました。

前回建てたときは将来の増築を全くイメージしていなかったのですが、建てられる敷地内での効率の良い計画を検討し、同じ形で増築するのが目標規模を確保しつつ、周辺情況にも違和感なくできるということになりました。

元の建物より大きい増築は、構造的には別建物として分けることが多いのですが、接続部に余計なコストが掛かることや見た目的にも望ましくなので1体建物として作っています。屋根や外壁は既存と同じものが連続するので出来上がるとかなり大きな建物、以前のお家的ものから校舎ぽくなるように思えます。

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美術の先生の家

近所の古い家の補修工事を弊社が行っていたことがきっかけで、自宅の改修のご相談をいただいたお客様。

耐震診断なども行って、いよいよ改修のご希望を伺っていたところ、改修する家は私が中学生のとき、教えていただいた美術の先生がお住まいになっていた家と分かり驚きの打ち合わせとなりました。私の母も別の中学で同じ先生に教えていただき、ひときわお世話になっているので、巡り会わせにビックリです。

先生はずいぶん前に他界されましたが、ご家族の方がその家を大切に思われていて、これからも維持しながらお住まいなるとのこと。

いつも以上に施主さまとイメージの共有ができそうで、楽しみな仕事です。

建築の仕事につながる最初とも言える先生へ報いるよう、頑張らないといけません。

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 ↑  我が家にある先生の作品

住宅 引渡し

若い家族のための35坪ほどの住宅。新型コロナウィルスの影響でおおよそ1ヶ月遅れの引渡しとなりました。

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大きいとはいえない家なので、窓を大きくし開放感を重視しました。住宅地の真ん中で道路を通る大半は同じ街区に人たちで、若い家族の楽しい雰囲気が外に染み出すのもよいかなと考ええました。広いオープンスペースに面した屋根つきのテラスを遊び場としていろいろ楽しんでもらえればと思います。

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1階は1つの空間として広さを感じられるよう、引き戸で区分けし、開ければ一室感があるよう建具納まりも少し工夫しています。

大きな部屋にため、ハウスメーカーの住宅ではあまり見られない独立柱もあります。ヒノキ材として、木のキレイさも感じてもらうようにしています。

内装は施主さんのセレクトです。自分で選ぶのとは違って若い感性で新鮮です。

夫婦にとって一生の居場所として十分な家となりました。

www.hattake.co.jp