移動のついでに気になっていた静岡の建物をみてきました。
富士山を望む芝生の広い前庭が魅力です。
建物も立地条件を活かした構成でインテリアもセンスのよいものになっています。
地元結婚式の場としてはこの上ないところでしょう。高台から清水港、三保の松原、富士山の景色は気持ちよいです。ラテアートも景色のそのままです。
〇 このはなアリーナ(2015 内藤 廣)
草薙運動公園内の体育館。内藤さんらしいハイブリッドな構造表現と素材感が見所です。
屋根は木の集成材で鉄骨造の円盤を持ち上げた形になっています。その円盤も木のルーバーがつけられて、天井面は木質の印象です。
帽子のような屋根を支える柱や庇部はコンクリートの表情と亜鉛メッキの鉄の表現で、人の目に近いところですは、素材感のあるもので作られています。
大きな屋根は、コストを抑えるためか、少しメリハリのない塗装鋼板のようで、ものたりない印象をうけました。
住宅と隣り合っている風景には少し違和感を感じました。大きな木々など少し隔てる要素があったらよかったでしょうか。
〇 グランシップ(1999年 磯崎新)
イベントホール・劇場・会議場・図書館などの複合施設。国内の磯崎さんの作品を代表するような施設。自然光の入る天井高さ58mのイベントホールは世界的にも、稀なホールだと思います(CGのような写真になっていますが実写です)。
当時の磯崎デザインの特徴だった曲面の外壁(屋根?)の石材に経年による割れが発生し、対策が最近完了しました。意匠的には魅力的な輸入石材でしたが、割れが出てしまって残念です。新しい材料を使うのは難しいです。
三角形のグリットに金網が張ってあります。補修はかなり費用も掛かったと思われますが、きちんとした出来栄えになってます(当然ないほうがよかったのですが)。