八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

偉大な先輩建築家に学ぶ 講演会

日本建築家協会の建築家大会2018東京 で開催された講演会 

明治大学アカデミーコモンにて

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NPO建築文化継承機構がJIA・金沢工業大学と進めている建築の思想文化を継承していく活動です。今回5回目の講演会で、開催された場所・明治大学に因んだ方々についての講演となっていました。

建築史家の神代雄一郎 講師 青井哲人さん。

神代さんは1960年代にアメリカで、デザイン・サーベイを行い、アメリカは少数民族の小コミュニティーの文化のうえに成り立っているのを感じ、日本文化の原型は村部にあるのではないかと、農村、漁村の調査を行ったようです。

そのころ、日本の町並み・文化を巨大建築が破壊していくという考えを主張していたそうで、それから50年後の今と同じ危惧を先見的に感じられていた立派な方です。日建設計、日本設計といった大手組織事務所の設計者を批判する立場を表明したいましたが、批判相手に強い反論で返されたり、学生など若い世代からの賛同もなく、表に出なくなってしまったそうです。

 

建築家 堀口捨巳 講師 岩橋幸治さん。

堀口捨巳さんが亡くなったあと名古屋にある八勝館の維持改修を続けていらっしゃいます。堀口さんの意匠を壊すことなく耐震化や空調環境の整備を付加していっています。堀口さんの意匠手法にも当然詳しく、マニアックな講演でした。

 

建築家 阪田誠造 講師 山岡嘉彌さん

阪田さんは前職で雇っていただいたときの代表で、山岡さんは入社当時の先輩です。

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講演内容は阪田さんの作品と人柄についてで、私としては懐かしい思いで聴講してました。阪田さんと山岡さんの仲の良い関係が十分感じられるものでした。

日経アーキテクチャに掲載されていた事務所内の打ち合わせ風景の写真を比べ、所員が対等な関係で打ち合わせをしていた阪田さんに対し、黒川紀章さんの事務所では黒川さんを恐れているように見えるとコメントしたことについて、聴講していた当時黒川事務所OBの方が、黒川さんとは皆、仲良くしていたと反論したことは、普通の講演会では見られない、近しい同業者のイベントの特質感を感じる出来事でした。

 

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