第5回目のみえ木造塾の講師は堀部安嗣さんです。今回も三重大学レーモンドホールです。
堀部さんは昨年、日本建築学会の最高賞といえる作品賞をとられた方です。吉村順三先生の系統で住宅をメインに設計されています。
吉村一門なので、建物の細部・性能については厳しく作られます。その中でも堀部さんは、現代的なセンスが感じられるので、若人にも人気があります。
今回の講義は、堀部さんの好まれるもの(主に古い建築)を紹介して自分の建築感を説明するものでした(たぶん、聴衆の大半が実際に住宅を作っている人たちなので、自作をメインの講義とするのを控えたのでしょう)。
10年ほど前に、お話を伺ったときは、正方形や五角形のプランで住宅をつくることをご紹介いただいて、恣意的なことを避けて幾何学で解こうとされていたように思えましたが、今回の講義では、ご自身の好きなもの、たとえば古い建築のもつ素朴で力強くかつ心地良いところなどを、ただつくりだすことを目指されているように感じました。
自作の説明としては特に最近竣工したクルーズ船の説明をされていました。
木のもつ、継続性や材として調湿・吸音などの特性に注目されているようです。