岐阜県大垣市にある輪中生活館(旧名和邸)。当地域の歴知的地理特徴の輪中地区の代表的な住居形式を復元した住宅です。木曽三川の下流部に見られる水害対応の水屋をもった古民家を以前から見てみたいと思っていました。
旧名和邸は、母家・土蔵式水屋・住居式水屋・納屋の4つの建物で構成しています。母家は明治4年に建てられたもので、その後住居式水屋が明治15年、土蔵は23年築だそうです。納屋も明治15年築ですが、損傷が大きく外観のみ復元で軸組は新しいものとなっています。
明治初期の建物なので古民家としては比較的新しいです。復元整備されているので、状態がよく、昔の家の良さを感じるには、とても良い施設と思います。
母家の半分は土間です。一般的な古民家の構成と同じで、炊事用のかまどがある土間部分は天井がなく大きな空間で、半外部的な気持ち良さがあります。居間など人の座る部分は天井があり、空間は抑えられますが、土間に対し落ち着いた心地よさがあります。
輪中の住居の特徴として、入り口近くの土間部分に非常用の木船が天井に備わっています。家の中に水を引き込んだ水場もきちんとしています。
家の中には当時の日常の生活のわかる資料の展示があります。
母家の奥には離れ座敷(住居式水屋)が1.6mの盛土の上に建っています。洪水時にはここに避難できるようになっていて、トイレもあるそうです。
奥には2.2mほ盛土の上に土蔵式水屋があります土蔵は周囲の水田からすると4mほど高い位置となっています。
水害の危険の反面、水の利便性は高く、井戸自噴式だそうで、地面から1.5mの高さまで水が上がるようです。井戸は今も水を出しています。
昔の様子の模型(各建物の構成はこのまま)。屋根は本来茅葺だったようです。模型ほどは水が迫っていたとは思えませんが。
入場料は無料で気軽に見れます。周りの集落の面影がないのが少し残念です。
ついでに大垣市内も少し散策。
水の都と宣伝しているように水路があり、自噴式井戸も数か所解放されていて、街の魅力的には高いように思えますが、古い要素が少なく、良い雰囲気の界隈は見つけられませんでした。
自噴の井戸は水量も多く、水を汲みに来る人もたくさんおられるようです。
市役所前の公園の緑と噴水。よく水もなく放置さえている場合が多いのですが、ここは流れのあるきれいな水で豊富な水音も聞こえ、心地よさそうです。
松尾芭蕉、奥の細道結びの地としてもアピールしています。そこにも井戸があります。
古い建物を活かしたレトロ風のチーズケーキ屋さんは、感じ良くおいしそうに見えます。こんな感じで古いもの活かしでお店が並ぶと良いのですが。
水路沿いの半分廃墟のビル、リニューアルすると楽しいそうな要素が感じられます。