八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

三分一博志展

愛知淑徳大学長久手キャンパスで行われている三分一博志展を見てきました。

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三分一さんは、昨年の講演会で真面目な設計過程を伺い、好感と興味を持っている建築家です。

展示は、映像を使った初期の作品から最新作の紹介と近年、テーマとしているムービング・マテリアルに着目した作品のスタディ模型の展示が主です。

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初期の作品は、センスある上品な建物でしたが際立った特質は弱いように思えますが、ムービング・マテリアルとする地域の風・水・太陽の動きを調査・活用した建築作品は、三分一さん独自の建築形態を作り出していると思います。講演会で伺った風洞シュミレーションを検証した模型が展示されていましたが、その手作り感は予想外でした。一般に発表されている図版がきれいだったので、もっと大がかりな装置で検証しているのだろうと思ていました。

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(段ボール箱のなかに建物模型があり、中央の窓から、線香の煙の動きが見れる風洞実験装置)

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(アクリルでつくり、内部の風の動きを確認できる模型で検討)

自分たちのできるところを、臆さずやることで、成果につながることを感じました。

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淑徳大学に建築系の学科があることは知りませんでした。新しい校舎はシーラカンスのメンバーが設計していて、今風のセンスを感じる建物でした。建築学科の存在感が弱い中部圏です。各学校、もっとアピールして建築への関心が高まると良いですが。

長久手に行ったので、香山壽夫さん設計(1989年竣工)の「文化の家」も見学してきました。劇場・図書館などの複合施設で住宅地のなかに、突出しないようボリュームを抑えて作られています。各所ディテールをしっかり作りこんだきちんとした建物です。

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内部もしっかり作りこまれていて当時の建築家のエネルギーを感じます。

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最近のニュートラルな(建築家のパーツデザイン、空間の作りこみが少ない)建物つくりからすると、少し建物からの圧力を感じますが。(きちんと設計された価値ある建物だと思います)。

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