岐阜県の羽島市庁舎の見学に行きました。この建物は、前に所属していた坂倉建築研究所の設計で、日本建築学会賞(日本建築学で最も評価の高い建築賞)を受賞しました。
在籍時、当時設計を担当した阪田所長から、設計時の坂倉準三先生とのやり取りをいろいろうかがった思い出深い建物です。20年ほど前に見学したときも。結構劣化していたところがありなくなってしまうのではないかと心配していましたが、今回、以前よりも活発に使われている様子で安心しました。
建物は東側が2階まで自動車も昇るスロープ、その上階への歩行者スロープ、消防の塔へと至る動線でダイナミックな構成の移動空間と水を緑に面する執務空間に分かれた明確な構成です。竣工当時の写真以上に緑が充実し、年月が経った良さが出てきています。
1958年竣工なので耐震性・設備面では支障はないとは言えないと思いますが、
日本におけるモダン・ムーブメントの建築100件に選定されているのでより長く存在してほしいものです。
その脇にある羽島市勤労青少年ホーム(1963年)も坂倉建築研究所の設計です。研究所の中でもあまり知られていない存在ですが、力強いコンクリートの庇と荒々しい曲面壁など興味深い建物でした。
東京で活動する坂倉建築研究所を退職した仲間との見学でしたので、私の担当した名古屋のJRセントラルタワーズやてんぷら料理店の天一名古屋栄店を案内し、おいしい天麩羅をいただきました。