廃墟、とくに産業施設は、特異な形態の建物群になって、設計者なら誰しも魅かれるものだと思います。足尾銅山は昭和48年に閉山、今は観光施設となっていて、本物の坑道を使って当時の銅鉱が学べます。
銅山以上に隣接する住宅群が興味深いです。鉱山のために無理やり作った村、三軒長屋の集合体です。トイレは6軒で共同の汲み取り式。低い木造住宅に対して、延焼防止のレンガの防火壁がたっているのも、過酷な印象を強めている気がします。このような住宅には住む人の芯の強さと、隣人との共同生活感に、現代的な暮らしにない良いところも感じられます。
銅山で使っていた水槽の一つには、水が満たされてました。