八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

ファサードの改装

日頃、共働させていただいている電気工事会社の社屋、入口廻りの改装計画をさせていただきました。

入口扉を開けた時の北風の侵入を防ぐ機能と工事業のハードな印象を和らげて企業イメージを上げる効果を付加したいと思いました。

既存建物の前面に通常より大きなガラスブロックをメイン要素とする完全自立のフレームを付加する計画としました。既存部の改装や構造的負担をできるだけ小さくすることを考慮したものです。構造的な強度はガラスブロック部分のみ必要で、鉄骨のフレームは既存の建物に対応したスケール感を大きな負荷なく見せることができます。施主さまには、こちらの思い伝え、細かな部分への配慮の集積が質の良さ印象につながることに、共感いただいて、当初のイメージのまま、竣工となりました。工事中のご不便も快く許容いただき心より感謝しています。植栽は奏さまにご協力いただいています。

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以前からあったような立ち姿で、建物の質感アップがうまくできたと感じています。

2年くらい経てば、今回入れた植栽も育ち、より自然な印象になってくれると期待しています。

三重短大 授業協力

今年も三重短大の生活科学学科の設計授業、指導協力に行ってきました。

コロナ禍なので、通常の半分の人数ずつに教室を分け、個部指導もアクリル板で隔ててでした。若干声が聞こえにくいので、少し大きめに声を出すためか、いつも以上に目いっぱい話をした印象です。

今回は例年に比べ、プランニングをきちんとしたところまで進めている学生さんが多く、下手に指導して混乱しないようにと、ちょっと我慢な感じでした。その分最終成果の完成度は高いかなと期待しています。

いつも感じますが、学生さんたちは熱心で、建築に魅力を感じる人たちがまだまだ後に続いてくれそうでホッとします。

(指導に熱が入って、様子の写真を撮り忘れました)。

 

 

 

 

木造上棟

教会の教職舎の上棟です。

畑の真ん中の敷地なので、風が心配でしたが、明け方までの強風がおさまって、上棟日和となりました。

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既存建物と一体的に見えるよう、位置・形状・色合いを検討しました。

乞うご期待。

小鉄骨上棟

鉄骨仕事が続きます。

日頃、共働していただいている電気工事業の社屋の改装で、エントランス部分をグレードアップする計画です。

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自立のスクリーンフレームの上棟(組み上げ?)です。目に近いところでシンプルな形状とするため、ボルト留めではなく、現場溶接としています。

機能以上に意匠を重視する鉄骨工事なので、先日の工場の上棟より、細心の注意が必要です。

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鉄骨上棟

小さな工場の鉄骨上棟です

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小さな建物ですが2tのホイストクレーンがあるため、しっかりした骨組みでがっちりした印象です。敷地隙間なく建ているところもその印象を強めていると思います。

商業地域のような立地には見えないので、敷地いっぱいの建物立ち姿は違和感があるかもしれません(ブロック積みまでが敷地です。建てるのにお隣様に協力いただきました)。奥にある既存工場と水路を隔てて一体敷地として、こちら側の敷地に偏らせて建てたためです。

 

前沢の曲がり家集落

会津の前沢、曲家集落は亀山の関と同様に重要伝統的建造群物保存地区となっています。この集落は街道沿いに民家が並ぶ形態ではなく、主要道から引き込んだところに集落があります。集落に入るには結構深い谷を跨ぐ橋を渡って入ります。外来者は橋の手前の駐車場に車を置いて、入村料(見学料)を払って村に入ることになっています。

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保存地区の面積は13.3ha.13棟の曲家(中門造り)と7棟の直家の集落です。

街道状ではないのと、道路が比較的広く、アスファルト舗装されているので、古集落の印象は薄いですが、民家の外観は伝統的なものとなっています。ほとんどの家は内部は改装して一般的な住宅に近いようになっているそうです。

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資料館として、移築された曲家が当時のままの暮らしを示す形で公開されています。

馬はいません。

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板の間部分が現在のLDKで畳のところは客間や仏間です。冬場はカイコを飼育する場として使われたそうです。建物の中心にカイコで人より優遇さえているようです。

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中央は客間。冬はカイコ用、吹き抜けでいい部屋ですf:id:hatt88:20201031155425j:plain

一番奥の部屋は後とりさんが使う唯一の個室(4畳ないくらい)だそうです。この上はツシになっています。2.1mもないような階高と薄い床でコンパクトに部屋が積み重なっていて効率良い感じです。天井が低い個室もちょっと楽しそうに思えます。急な箱階段で半畳ほどのスペースでツシに上がれるのも効率的な印象を増しています。

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全窓、雨戸がついていますが、現代の住宅のように引き込んでいくタイプではなく引違いの木戸になっていて、開けたほうに障子を入れる形で木戸2枚と障子1枚で通風・明かりとりを行っています。普通の半分しか光は入りません。雨戸を引き込んでいくタイプに比べかなり節約、簡便な開口です。

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ダイニングキッチン

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土間の三和土(タタキ)は、他の古民家でも大半は凸凹の床面になっています。掃除をしていると弱いところがどんどん取れていってこうなってしまうそうです。

www.hattake.co.jp