八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

アアルト展

名古屋市美術館のアアルト展「もうひとつの自然」に見てきました

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展覧会はアアルトの人物・経緯を示す部分が多い印象で、建築作品はあまり紹介されていなかった印象です。椅子や建築パーツなど実物の展示は、北欧デザインを実感をもって見れてよいものでし、ミュージアムショップで販売していたartekやiittalaの製品もフィンランドデザインの魅力をみせていて、フィンランド製品の展覧会としたほうが集客しやすかったように思えます。

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近代建築の世界を代表する3人の一人とされているアアルトですが、その中で最も地域性を感じさせる建築家です。シンプルにつくられる形はインターナショナルスタイルと区分けできますが、自然豊かなフィンランドの雰囲気からできる素朴なデザイン、土着的な建築の印象をつよく受けます。

都市計画や大きな建物の設計から、家具・把手などの建築部品など手に触れる部分まで、繊細に設計するスタイルは、大学の恩師の設計活動と似通っていたので、とても関心のあった建築家です。学生のころにフィンランドとドイツにある建物を見て回りました。アアルトの建物は森林のなかにあって自然と一体として感じるのが素晴らしいです。パイミオのサナトリウムの最上階、日光浴のできるテラスからの果てしなく続く森林を鳥瞰する眺めは最高に素敵でした。ロシアに接する街にあるイマトラの教会は、偏狭の街に小さく丁寧に作られた上質な建物で遥々訪れたことが一入良かった印象です。

森や湖が多く、切り立った山のない平坦な印象、太陽の光の柔らかさ、いつまでも明るい夏の日などフィンランドの自然の中にあるアアルトの建物は、ほかのどこにもない独自の魅力がありました。

 

 

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