八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

INAX TILE PREVIEW2018

いつもお世話になっているLIXIL担当者さんからのお知らせにのってLIXILさんの今年度タイル展示会にいってきました

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今年はタイルブランドをINAXとしたためか、これまでのINAXタイルの歴史を見せる展示がありました。フランクロイド・ライトの作った帝国ホテルのテラコッタも展示されてました。LIXILさんで保管しているピースだそうです。創業当初のタイル見本帳のタイルはレトロな感じのやさしい色合いでした。タイルの色は変わらないので製作当時の色そのままとのことで、現在は製作環境が異なるので同じ色合いは出せないそうです。バブルの頃に流行ったという原色鮮やかなタイルは、色出しにコストが掛かるのでこれも現在は作っていないそうです。言われてみるとポストモダンの建物に多く見かけたような気がします。

最新タイルの展示では表面にデジタルプリントして天然石に近い表情のものが多いです。小口は基材の土色なので建物に使うときに端部の処理に困ります。以前は色のある土を練りこんだものが正統なタイルとして多くラインナップされていましたが、これもコストが掛かるので少なくなってきています。設計士的な観点では、何かに似せたものよりタイルにしかない表情が好まれると思うのですが、一般市場はそうではないようです。

消臭、調湿や防滑、防汚など機能面が多くプレゼンテーションされています。意匠性は輸入ものに任せる、機能性でのメリットでアピールしたほうがクライアント受けがよいということなのですが、意匠設計に関わるもとしてはちょっと残念と感じます。

この展示会のもう一つの要素は、試作タイルの展示です。来場者に評価してもらい製品化につなげるしくみになっています。タイル製作者のこだわり篭もったタイルが並びます。展示担当の方のお話を伺うとタイルマニア的な知識が垣間見れて、とても興味深く見られます。七宝風のガラス・金属表情、正形形状でない風合いのあるもの、目地材をなくすタイル形状、ごく薄のタイルなど興味深いものがいろいろありました。

コストの掛かるタイルは最近の建物の外壁には使われることは少なくなってきています。以前は石が高く、タイルは安い材用だったのですが、今は安い石が入ってきてしまったので逆転してしまいました。欧米では昔からタイルは高級品だったので、タイル貼りの建物は貴重とされえてます。そんな流れでLIXILさんも室内使用のものが多くなってきているように思えます。一番多く使われえる床タイルは、輸入品が大半です。ヨーロッパの土のほうが良くて大きな板や複雑な形状もやりやすいそうです。タイル技術は日本が優位と思っていたのですが、材料のハンディがあると聞くと、なかなか優位に立つのは難しいなと。

 

 

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