九州福岡の近代産業遺産を見てきました
昭和18年(1943年)竣工。高さ47.6m、長辺15.3m、短辺12.3m
製作者 第四海軍燃料廠(設計者 猪俣昇)昭和39年に炭鉱が閉山となり、平成21年(2009年)に国指定重要文化財となっています。鉱員を石炭層まで下ろしたり、石炭を地上に引き上げたりするエレベータのための建造物。深さ430mまでの長さだそうです。現存する同型の施設は世界でもベルギーのブレニー、中国の撫順と志免のみとのこと。
周辺はグラウンドや福祉施設になっていますが、施設至近部は倒壊の恐れのためか入れないようにフェンスで囲まれています。志免町の中心に近い岡地に立地し福岡市内からも見えるので、町のシンボルとして見れます。
北九州市 高田第一高炉史跡広場
明治34年(1901年)日本初の本格的製鉄所として建設された「官営製鐵所」の溶鉱炉。昭和37年(1962年)に現在の形になり、昭和47年(1972年)まで使われていたようです。平成8年(1996年)に市指定文化財に指定。高炉一帯を広場として整備しています。町外れの感じですぐ脇を高速道路が通るようなところで、日常的に住民が訪れることがなさそうでちょっと寂しい感じです
一般的な建物と機能が異なるので、形状も特異で造形的にはとても魅力的です。また廃墟的なものが持つある種の不完全感、時間流れを感じるものは、建築家の多くが魅力を感じるものだと思います。ちょっと残念なのは、内部に入れないこともあって、全体としての彫刻的な存在感があるものの近代遺産としての意味合いが体感しにくいところです。訪れる人が少ないのも、ただ形態が見れるだけということによると思います。ドイツやオランダなどは産業資産をリノベーションしたり、有効な観光施設にしているようです。
高田高炉の隣には、本物のスペースシャトルを中心要素としたテーマパークがありましたが、採算合わず閉鎖されて、解体が始まっています。このテーマパークは学生のころ、バイト先で設計していたものなのでちょっと残念です。
スペースシャトルだけでも残ってくれれば廃墟が並ぶ珍しい景色になるのですが。