八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

ラ コリーナ近江八幡

滋賀県近江八幡の郊外にある老舗和菓子屋さんのメインショップと本社などが集まった施設(2017年7月に新たな店舗が追加)です。建築設計は、東京大学の建築史の名誉教授でもある藤森照信さん、ほかアート・インテリアデザイナー、農業や生物などの専門家など著名な方々がこの事業に参画しているようです。

建物は藤森先生の建築歴史観を反映した生きた植物の使った外観表現と手作り感のあふれる設え、素朴な印象を与える特異な形態で、この施設のテーマである自然と共に生きることの大切さを伝えることに、ベストマッチなものです。いろいろなデザイナーが力を発揮して、都会の人たちにも通じるセンスの良さが見られます。SNSの素材としても受けの良いものが揃っています。施設は大人気で、自家用車の来場者でかなりの台数の駐車場も入れないかと思うほど盛況でした。

メインショップ

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外観のイメージは草屋根と土壁。前庭の植栽が行き届き、アプローチから別世界な感じ。内部は漆喰壁に墨のチップが埋め込まれた意匠。墨のチップは、藤森先生の友人たちのつくる素人建築集団の施工と思われます。先生曰く、プロの職人の通り一辺の仕事のできと、素人の思いを込めた出来栄えは若干素人は劣るが味わいは、素人仕事が勝るのでは、と素人集団の作業が多くあります(素人と言っても陶芸家だったり、作家さんだったりでセンスの良い方々)。

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メインショップの裏は田んぼを囲んで、施設が配置されています。田んぼへの水路ではホタルを育ているそうです。アグリツアーのような形でスタッフが案内するツアーもあるようです。

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変な塔のある建物は、本社オフィス。内部は見られませんが、外部に視線が抜け、自然を感じながら仕事ができる場と聞いています。

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新しくできた自然食品を売る店舗。古い乗り物の実物が展示してあり、質感の大切さを感じる雰囲気作りです。

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外部のフードコート。ショッピングセンターによくある内部のものには、不健康な感じをいただていましたが、外だと気持ちよさそうです。

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企業理念を楽しさをもって、うまく表現していると感じる施設づくりだと思います

www.hattake.co.jp