八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

三重木造塾 中川武先生

今年度 2回目の三重木造塾の講義が三重大学レイモンドホールにて行われました。

冷房設備のない(建築的意義は大いにあるのですが)レイモンドホールで、気温30度を超える中、「日本の住まいの歴史」と題した熱意あふれる講義でした。

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講師は明治村第6代館長・早稲田大学名誉教授の中川武先生です。先生には大学在籍中に日本建築史を教えていただいています。

建築史研究またアジア各国を周られるなかで見出された「不羈の構え」の大切さについて熱の入った講義です。

「不羈の構え」とは経済的・政治的な事象にとらわれくことなく、透明感・流動感をもって丹精込めて作られるものを指し、発展した社会から失われつつあるものとのことです。また丹精込めた造りの細やかさだけでなく、時間に関わる感性も見過ごされつつあることを指摘されていました。

住宅の基は、平安時代寝殿造りにある屋根のみで境界のない自由で浮遊感のある空間で、理想の住宅はそこにあるとの説は、最新の建築でも目指している空間思想に通じるように思います。

住宅の単体のことだけでなく、近年カンボジアに進出したイオンモールを例に挙げて、本来の都市の、個々の小さい要素がぶつかりあって成立する都市の形態・魅力、そこから特徴つけられる伝統文化が失われることを危惧されていました。

講義の後半には、体感しておくべき建物として、茶室・民家・庭・寺社などをご紹介いただきました。これまで訪れたことのあるところもありますが、先生のお話を踏まえ、新たな見方ができそうです。

学生のころ、先生の講義は難しい(普段のとても心易くお話しただいていたのでなお更)印象だったのですが、今回のお話しはとてもわかりやすく、共感する部分が多かったので、今の私の見識は大学のころの教えに基づいているいるところが大きいと感じました。

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