昨年行われた「みえ歴史的町並みネットワーク」の会で講演のあった静岡の歴史的町並みをみてきました。
森町 城下
秋葉街道の宿場町として栄えたところです。城下町なので町並みにも防御の工夫があります。街の中で街道は湾曲しており、道に沿う家々の輪郭がのこぎりの刃のようにギザギザになっていて敵を待ち伏せるのに都合のよい形態です。街の中央でクランクしているのも防御のためでしょう。
現在主要な道路は街の外を通り、家々が並ぶ旧道は一方通行となっており、町並み保存には適した条件です。
家々の配置は古くからの形態が守られているものの、古い建物は数軒で歴史的町並みとして感じるにはいまいちです。町並みの案内パンフレットを用意していたり、町並みの保存には高い意識があると思われます。
掛川市 日坂
東海道の宿場町。講演のときは案内がなかったので、意識していなかったですが、箱根・由比・日坂・鈴鹿が東海道の4峠難所で宿場町でも著名なところです。
谷筋なので国道1号線はバイパスとなって街の上に通っていて少し悲しい感じがあります。街の中で古い建物は市で管理された数件です。ここも町並み感は薄いですが、町の人たちの志は高いです。ほぼすべての家に、昔の屋号の木札がつけられています。空き地も新しく建てた普通の家にもです。住む人たちも、積極的に訪れる人に話しかけているようで、数人の方から町並み・東海道についてお話を伺いました。
夜泣き石で有名というのも伺って気が付きました。街にあった北斎の絵にも夜泣き石が描かれていたのも見過ごしていたのですが。(真ん中の白っぽい丸い石です)
NHKでもやっていた夜泣き石は国道1号線を通す際、移設されて今も残っています。
これが夜泣き石。
どちらの町並みも古くからある建物はわずかです。県内の伊勢街道や東海道のほうが町並みが残っている感が高いところが多いように思いますが、町の人の意識は負けているように思えます。