東京メトロとトリップアドバイザーのキャンペーンに、あなたの誇れる東京を問う吊り広告があります
再開発が進む東京で世界に誇れる東京が残ってくるのか疑問です。例示されている浅草は、東京のもつ真の魅力を持つとは思えません。ほか歌舞伎町も依然のダークな印象も薄まった感があります。秋葉原は依然と違った特徴が出てきてちょっと世界の人を惹きつける要素を持っているような気がします。
カオス(混沌)という言葉が流行った80年代後半、世界から見た東京の魅力はカオスという言葉が相応しいものだったように思います。
私世代の感覚では、渋谷はカオスを代表する街の一つと思われていました。その渋谷駅も再開発の場となり数年後には新しくキレイな駅前となるようです。
現状工事中は、あやうい鉄道と人の動線、新旧の街でちょっと魅力的です。
JR山手線と埼京線の上に地下鉄銀座線の仮設高架が通ってます。その下が東西通路。
旧文化会館の跡に建ったヒカリエと銀座線。この下に東急線と営団地下鉄、地表のすぐ下には渋谷川が流れています(今回工事で川の位置も変えられます)。
渋谷駅の魅力は谷地形の中に継ぎ足されてできた複雑な動線と小さく囲まれたスペースにあると思います。関わった多くの人の労力と時間によって作られた魅力です。
密度感あるハチ公広場もあとわずかで無くなってしまいます。
今進められている駅の再開発は、そういった渋谷の魅力を十分理解されている著名な建築家の方が関わっているのですが、果たして短期間で、これまでを超える魅力をうみだせことができるか、大変な仕事だと思います。
世界の魅力ある場所で、短時間で作られたところはあまりないように思えます。現状の東京の開発の方向性は将来に他の場所とは違う何かを残せるのか、ちょっと心配です。