今年4回目になる木造塾に参加してきました。
午前中は、木造塾参加者相互の意見交換会で、それぞれの活動を発表する会です。
自然素素材、在来工法に徹底した家づくりの設計士、自らの山の性質を活かし、広葉樹や混植の植林を試みる林業家、大工技能を絶やさぬように機械加工を避け、手加工を続ける大工さんなど、独自の活動に熱意をもって取り組む方々の発表には、多く刺激をいただきました。
午後は、パッシブ住宅を研究する野池政宏さんの講義です。
少し前、ハウスメーカー各社が提唱していた「スマートハウス」のように省エネ電化製品を付加した家づくりではなく、家自体で省エネを実践していこうとするのが、氏の提案する「パッシブデザインの省エネ住宅」です。
その地域の特性を十分検証し、地域にあった配分で各省エネにつながる要素を採用することで、質の高い室内環境と省エネルギーを実現することを講義いただきました。
敷地の特性を分析理解して、活用するという建築家の職能に合致する考えです。
具体的内容としては、近々に義務付けられる省エネ計算を利用して、建物のパッシブデザインを実証的に検証していく方法などで、なんとなく採用していた要素の裏付けができるようなるとかです。たとえばLow-Eガラスの使い方について、数値化による検証により、各種日除けとの組み合わせで相反する夏の遮熱と冬の断熱要素を解決できることが、はっきりわかります。