社員旅行で金沢に。谷口吉生さん設計の「鈴木大拙館」見てきました。
谷口さんらしい、きちんとした建物で厳しい施工精度で作られています。施工は清水建設と豊蔵組です。
地元出身の仏教学者 鈴木大拙の精神とされる「静か」「自由」の具現化を図ったとされています。本多の森公園と住宅地の接点となるところに立地していますが、公園の緑を借景として、ほかの要素を排除した周辺から独立した静的空間を作り上げています。
谷口さんのストイックな設計と施工精度から生み出す独自の雰囲気です。
思索の空間 この施設のメインの空間です。
コンクリートがきちんと打設されています。建具の枠も無しです。構成する線をなくすことでよりシンプルですっきりした印象になります。
金属ルーバーの付け根の石がルーバー型に沿ってキレイに切り取られているように見えます。
金沢に来る度に訪れる武家屋敷街長町にある野村家武家屋敷跡。今回3回目です。
最初に見たときの強烈な印象が正しかったのかが気になって、何度も来ますが、やはり凄い庭です。米国の庭園専門誌が選ぶ日本の庭園ランキングで足立美術館(島根)、桂離宮(京都)に次ぐ第3位になっています。
この庭の魅力は狭い場所でありながら周辺の様子とは全く違った空間を作っているところです。庭の池は2段になっています。下部の池の水深が深いので室内からは縦に深い空間が印象づけられます。中二階になっている茶室からの眺めは、さらに立体的で山中の谷間にあるような景色にも見えます(周辺は路地の入り組んだ市中です)。
どちらの建物も周囲とは別世界をつくっている好例です。金沢という土地の文化環境にもよるものでしょう。