先週6月11日土曜日、みえ木造塾の講義に参加しました。木造を知るための有志の集まりで今年で13年目になるそうです。毎回講師を迎え、木造に関わるお話を伺ったり、実験したりしています。今回の講師は竹中大工道具館 赤尾館長さんです。
新神戸駅に移転した竹中大工道具館の紹介から始まり、収蔵品の写真や所蔵の動画による縄文から現在に至る大工作業の変遷を講義されました。
この大工道具館は竹中工務店元会長の錬一氏が手道具が機械道具にかわっていく現況に憂慮して作られたそうです。世界中の道具3万点を所蔵し、使用可能な状態で千点を展示しているとのことです。
消滅しつつある手作業や伝統技術の良いところを記録した動画で、参加者一同、技術の継承することの意味深さを共感したように思います。このような講義で初めてわかる手作業の長所は、一般の人だけでなく建築に関わる人でも、説明されないと見いだせないようになっていると思います。
手間のかかっているものは確かにいいものなのですが、普通の人のこだわりの中で実現できる建築を超えて、芸術品のような存在になっては、本来の建築ではなくなってしまうように思えます。昔の手作業の良さは、現代のニーズからは、はずれてしまい無くなっていくのも当然の流れといえるのかもしれません。(個人的にはとても残念)。