八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

ノーマン・フォスター展

六本木森美術館で催されているフォスター展に行ってきました。

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フォスター+パートナーズは現在世界40か国で300を超えるプロジェクトを新王させている大設計事務所です。大組織の設計事務所ですが、日本やアメリカの大手事務所とは異なり、一建築家として、フォスターが作品をつくっているという印象のある仕事ぶりです。1967年小さな事務所として起業し、現代ロンドンのビルの大半を手掛け、中央アジアのよくわからない国でも仕事をするの大事務所までになったすごい人です。フォスターの仕事ぶりは非常にハードで、その事務所の緊張感は半端なく厳しいもののようです。展示会にはオフィスの写真が展示されていますが、芸術的創作活動の場という印象ではなく、まったくのオフィスの風景です。(先日見たゲーリー展のオフィス風景とは大きく異なります)。

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80年代、香港上海バンクに代表される「ハイテックスタイル」の第一人者として、有名になりました。最新技術を表現した高精度・高品質の建築がビルオーナーのステイタスの表現となっているといえます。芸術系の職業としての建築家の歴史に、技術系としてあり方を確立したともいえる建築史に残る存在だと思います(技術系といっても、建物は十分綺麗です)。最近のプロジェクトには、バージン社の宇宙旅行用空港や、3Dプリンターを月面。火星で使って現地材料で建物をつくる検討など、未来技術的なものもあります。

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展覧会は、50の模型などで構成され、立派なものなのですが、実作が有名で既知感があるためか、新鮮味がなくて少し物足りない印象でした。会場が六本木ヒルズの最上部で東京の街といっしょに世界のビル(模型)が見れるという面白みを狙ったようでしたが、ちょっと気が散ってしまうようにも感じられます(天気がよいと余計)。入場料をとらないで展望台におまけ展示だと、一般の方に建築家の仕事ぶりを示すいい機会となるのですが(入場料1800円)。

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天気がよいと東京都心がよく見えます。中央奥が皇居、その向こうは丸の内。スカイツリーも見えてます。

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新国立競技場の敷地も見えます。写真中央奥の茶色の四角いビルの右奥(秩父宮ラグビー場の奥)がその地です。手前に新国立美術館、その左の緑は青山墓地

 

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