八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

名古屋駅

名古屋駅前のビル群の建設がずいぶん進んできてます。JRセントラルタワーズの後。ルーセンントタワー、スパイラルタワー、トヨタビル。少し間が空いて、今年大名古屋ビルが完成、中央郵便局の再開発の間もなく完成、JRゲートタワーは2017年4月オープンです。ビルの外形ができて、高層ビル街の景観が見えてきました。

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セントラルタワーズの設計コンセプトの一つは「都市の文脈を重視」その地域(街区)の特色を活かす独自のデザイン。碁盤の目状のニューヨークや新宿・丸の内などとは異なる自然発生的な街区形状に着目して都市景観を作っていこうとする試みです。その考えのもと、名古屋駅前の多方向からの道路が集まるいびつな街区構成を反映した複雑で動的なイメージの建物構成としました。竣工当時の孤立した景観より、周りに高層ビルが立ち並んできた現在のほうが、そのコンセプトが活きているように思います。

また、セントラルタワーズの特徴であるスカイストリート(空中街路)が隣接するJRゲートタワーにもつながるそうで、15年ほど前の立体採都市構想が良い形で実現、発展していっています。

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開発をまつ駅南の名鉄百貨店側のゾーンには、坂倉準三時代に作られた近鉄ビル(1966年)が数度の微改修を経て、現在も使われています。このビルも建設当時は独立した形でしたが、今は名鉄のビルと高さがそろって、一体的なボリュームの一部となって都市景観をつくっています。

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JRセントラルタワーズは、新卒入社1年目、プロジェクト当初から担当となり、10年後の竣工まで関わった思いの深い建物です。コンコース正面の吹抜空間は、以前の名古屋駅にあったような、駅と街の接点となる象徴的な空間を作りたいという私の提案がきっかけとなって出来た場所で特に思い入れのあるところです。竣工後、名古屋を代表する待ち合場所となった様子で、いつも大勢の人でにぎわっているのを見るとこの仕事に関われてよかったと実感できます。

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