八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

萬古展

東京日本橋で2つの萬古焼の展覧会が催されています。

日本橋室町にある三重県のアンテナショップ 三重テラスでは「古萬古展」。江戸に始まる萬古焼の名品を展示した歴史のわかる展覧会。その向かいにある三越本店では、現萬古組合理事長の清水酔月さんの親子展が催され、現代の作品が見られます。どちらも5月5日までの開催です。特に小さな焼物に小世界を凝縮したような印象を感じたのは新鮮でした。当然ながら、いつも使っている萬古の急須をは別物です。ぜひ本物を見ていただきたいと思います。

f:id:hatt88:20150430152026j:plain

f:id:hatt88:20150430152210j:plain

f:id:hatt88:20150430152546j:plain

f:id:hatt88:20150501014159j:plain

萬古焼は、私の通っていた小学校周辺で古くから作られている焼物です。クラスメイトには萬古焼産業にかかわる家の子がたくさんいて、小学校に窯もあり、年に何度か焼物を作っていました。そのころはどこの学校もそうしていると思っていました。

本来の制作物は、茶器です。独特の赤紫の土の鉄分がお茶をまろやかに、美味しくする効果があるのです。古くはその茶器を主に作っていましたが、高度成長期に茶器以外の安い陶器を供給することで売り上げを伸ばしてきました。その後中国製品などの安いものに圧されて、域内の関連業者さんはめっきり減ってしまっています。比較的最近になって土鍋の生産量が日本一になりましたが、地域の盛り上がりはイマイチです。

少し時間ですが、清水さんとお話しすることができました。四日市の友好都市である中国天津市に作品を持っていったり、夏にはミラノ万博に三重県のアッピールに行かれるとのことで、萬古の知名度を上げることに尽力されています。中国では、日本の良い品て人気があるとのことです。

わが地元の人たちは、これまで安く提供することを主眼にしてきたので、いいところをアッピールして売っていくことに慣れていないように思います。

清水さんから、東京で行われたお茶の試飲イベントのことを伺いました。同じお茶を6通りの入れ方で味わうのだそうです。三重県はお茶の生産量全国3位なのですが、萬古とお茶の関係するイベントは、あまり聞いたことがありません。もっと自分たちの持っているものを活かす機会を見落としているように思いました。

若い人たちが魅力を感じる街にしていきたいという思いを共感しました。

 

www.hattake.co.jp