八武組 設計ブログ

ハッタケグミ:三重県四日市市の建設会社 設計メモです

学童保育所 上棟

5年前に作った学童保育所の増築部が本日上棟しました。

利用する児童数の増加により、これまでの施設では賄いきれず増築が計画されました。

前回建てたときは将来の増築を全くイメージしていなかったのですが、建てられる敷地内での効率の良い計画を検討し、同じ形で増築するのが目標規模を確保しつつ、周辺情況にも違和感なくできるということになりました。

元の建物より大きい増築は、構造的には別建物として分けることが多いのですが、接続部に余計なコストが掛かることや見た目的にも望ましくなので1体建物として作っています。屋根や外壁は既存と同じものが連続するので出来上がるとかなり大きな建物、以前のお家的ものから校舎ぽくなるように思えます。

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美術の先生の家

近所の古い家の補修工事を弊社が行っていたことがきっかけで、自宅の改修のご相談をいただいたお客様。

耐震診断なども行って、いよいよ改修のご希望を伺っていたところ、改修する家は私が中学生のとき、教えていただいた美術の先生がお住まいになっていた家と分かり驚きの打ち合わせとなりました。私の母も別の中学で同じ先生に教えていただき、ひときわお世話になっているので、巡り会わせにビックリです。

先生はずいぶん前に他界されましたが、ご家族の方がその家を大切に思われていて、これからも維持しながらお住まいなるとのこと。

いつも以上に施主さまとイメージの共有ができそうで、楽しみな仕事です。

建築の仕事につながる最初とも言える先生へ報いるよう、頑張らないといけません。

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 ↑  我が家にある先生の作品

住宅 引渡し

若い家族のための35坪ほどの住宅。新型コロナウィルスの影響でおおよそ1ヶ月遅れの引渡しとなりました。

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大きいとはいえない家なので、窓を大きくし開放感を重視しました。住宅地の真ん中で道路を通る大半は同じ街区に人たちで、若い家族の楽しい雰囲気が外に染み出すのもよいかなと考ええました。広いオープンスペースに面した屋根つきのテラスを遊び場としていろいろ楽しんでもらえればと思います。

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1階は1つの空間として広さを感じられるよう、引き戸で区分けし、開ければ一室感があるよう建具納まりも少し工夫しています。

大きな部屋にため、ハウスメーカーの住宅ではあまり見られない独立柱もあります。ヒノキ材として、木のキレイさも感じてもらうようにしています。

内装は施主さんのセレクトです。自分で選ぶのとは違って若い感性で新鮮です。

夫婦にとって一生の居場所として十分な家となりました。

アーキテクトみえ

日本建築家協会 三重地域会では2年ごとに活動をまとめた会報を作っています。今回は私が編集担当でした。

会員以外の方にも見ていただけるよう、毎回三重県に関わる特集記事を掲載しています。今回は三重の伝統工芸品を特集しました。シェアがあっても産地としてあまり知られていない産品が多い印象です。ご覧いただき、県産品に興味をもていただければと思います。

 

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PDF版は日本建築家協会 JIA三重のホームページからご覧いただけます。

www.jia-mie.com

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実篤記念館 サイン小改修

調布市の住宅地内にある記念館でも、外国人対応のために入口サインに英語表記が必要とのことで、わずかですがデザインしました。

当初は入口料金案内のみでしたが、利用者の要望からいろいろサインが増えていました。今回は必要最小限にまとめること、施設イメージアップするようにシンプルで分かりやすいものとすることを記念館の方々と検証しました。

まだ、スッキリ完了とまではいっていません。来年度以降も継続検討させていただきます。

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純粋な建築

工場、事務所の改装・改修の仕事をさせていただいているクライアントから、津波対策のために電気設備の持ち上げ架台の建設の依頼がありました。

設備架台なので、壁はなく柱とメンテ用の床のみで、建築物とはいえないと思っていましたが、屋上のメンテ床の下が屋根のある床=建築床面積が発生するとの見解で、地上2階建ての鉄骨造の建物となりました。建築物かそうでないかで、作るものとしては変わりありませんが、確認申請の書類がかなりの量、必要になりました。

書類的に普通とは違うところがあって、興味深い発見がありました。

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一番上にも電気設備が載るので、図面を描いている感じは3階建てのイメージでしたが

床面積が出てくるのは2階の部分にのみ、1階は車が通行するのみのピロティーという用途で建築基準法の面積は発生しません。メンテンスに梯子だけでは不便ということで、階段をつけることを当初から計画していましたが、面積が発生する2階には法的に階段が必要となります。さすがに法で決められている一般的幅員や勾配の規定は適応されないことが今回わかりました。

通常の建物では、隠される躯体と見せる要素の仕上材の2つの要素で作るのですが、この建築はほぼ躯体のみ、全ての見える隠すところ、装飾ない建築です。建築家的にはうそのない純粋な建築といえます。

機能重視・経済性重視で求められる寸法取りで、無駄な要素も付けられませんが、必要最小限の要素の各所寸法を調整して、見た目スッキリになるよう努めました。

質実剛健な印象にできたかと。整理された要素は、この後の設備設置・配管取り回しにもメリットが出てきます。

三重短大 授業協力講評会

今年度の三重短大授業協力の最終授業。12月にエスキース指導した住宅設計の講評会となります。

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図面とインテリアまで作りこんだ模型の提出です。今回2作品目となるので、そろえるのにはかなりの時間がかかったと思います。

作品の完成度が高いと、一般なハウスメーカーの家のようなものに近いものになってしまう、よく勉強しているからの成果ではあるけど、家の特徴、主張が弱くなっているように見えます。完成度が低いと、こちらが想像する余地があるので、どこか魅力を感じやすくなるので、評価が難しい。

なかにはしっかり考えている学生さんもいて、敷地の条件を読み取って、主張のはっきりした案をつくり、人の動きに沿って風景の見せ方も考えて計画していました。

それぞれの作品を通して若い人たちの生活感もちょっと感じられるのも、この授業協力の興味深いところです。

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