調布市の住宅地内にある記念館でも、外国人対応のために入口サインに英語表記が必要とのことで、わずかですがデザインしました。
当初は入口料金案内のみでしたが、利用者の要望からいろいろサインが増えていました。今回は必要最小限にまとめること、施設イメージアップするようにシンプルで分かりやすいものとすることを記念館の方々と検証しました。
まだ、スッキリ完了とまではいっていません。来年度以降も継続検討させていただきます。
調布市の住宅地内にある記念館でも、外国人対応のために入口サインに英語表記が必要とのことで、わずかですがデザインしました。
当初は入口料金案内のみでしたが、利用者の要望からいろいろサインが増えていました。今回は必要最小限にまとめること、施設イメージアップするようにシンプルで分かりやすいものとすることを記念館の方々と検証しました。
まだ、スッキリ完了とまではいっていません。来年度以降も継続検討させていただきます。
工場、事務所の改装・改修の仕事をさせていただいているクライアントから、津波対策のために電気設備の持ち上げ架台の建設の依頼がありました。
設備架台なので、壁はなく柱とメンテ用の床のみで、建築物とはいえないと思っていましたが、屋上のメンテ床の下が屋根のある床=建築床面積が発生するとの見解で、地上2階建ての鉄骨造の建物となりました。建築物かそうでないかで、作るものとしては変わりありませんが、確認申請の書類がかなりの量、必要になりました。
書類的に普通とは違うところがあって、興味深い発見がありました。
一番上にも電気設備が載るので、図面を描いている感じは3階建てのイメージでしたが
床面積が出てくるのは2階の部分にのみ、1階は車が通行するのみのピロティーという用途で建築基準法の面積は発生しません。メンテンスに梯子だけでは不便ということで、階段をつけることを当初から計画していましたが、面積が発生する2階には法的に階段が必要となります。さすがに法で決められている一般的幅員や勾配の規定は適応されないことが今回わかりました。
通常の建物では、隠される躯体と見せる要素の仕上材の2つの要素で作るのですが、この建築はほぼ躯体のみ、全ての見える隠すところ、装飾ない建築です。建築家的にはうそのない純粋な建築といえます。
機能重視・経済性重視で求められる寸法取りで、無駄な要素も付けられませんが、必要最小限の要素の各所寸法を調整して、見た目スッキリになるよう努めました。
質実剛健な印象にできたかと。整理された要素は、この後の設備設置・配管取り回しにもメリットが出てきます。
今年度の三重短大授業協力の最終授業。12月にエスキース指導した住宅設計の講評会となります。
図面とインテリアまで作りこんだ模型の提出です。今回2作品目となるので、そろえるのにはかなりの時間がかかったと思います。
作品の完成度が高いと、一般なハウスメーカーの家のようなものに近いものになってしまう、よく勉強しているからの成果ではあるけど、家の特徴、主張が弱くなっているように見えます。完成度が低いと、こちらが想像する余地があるので、どこか魅力を感じやすくなるので、評価が難しい。
なかにはしっかり考えている学生さんもいて、敷地の条件を読み取って、主張のはっきりした案をつくり、人の動きに沿って風景の見せ方も考えて計画していました。
それぞれの作品を通して若い人たちの生活感もちょっと感じられるのも、この授業協力の興味深いところです。
日本建築家協会三重地域会が主催する講演会。今回は若手で活躍が目覚しい
大西麻貴+百田有希さんが講師でテーマは「人を愛する建築」です。百田さんは体調不良のため、大西さんのみでの講演となりました。自作を紹介しつつ、大きくは建築に対する思考、個々の設計の経緯や設計意図などを説明いただきました。
出来上がってくる建物は、統制の取れれた形のものはなくて、私たち世代のつくる建築とは違ったものです。とにかく楽しさが感じられ興味がありました。どのようなことを考えて、こうなってくるかに興味がありました。
大切にしていることは、どこにつくるか(立地の把握)、誰のための建物か(ニーズの把握)を考慮し、クライアントとよく話し合いの要望を自分なりの解決案を提示していくという過程は、私たち世代と同じくするものです。違いが出るのは、社会環境の変化で建物に使われる材料の質と、建築に対するイメージの明るさと思います。実に楽しそうに設計されているようでした。
若手の建築家ということで、今回特に高校生へ聴講勧誘に力をいれました。その甲斐あって、20名以上の高校生が来てくれました。会の最後には、高校生から建築に関わっている動機を聞く質疑もあり、大西さんが「つくった建物で人の人生に関われる、変えられたりもする。建築をつくることは物凄くたいへんな労力を使うが、建築は面白い。だから続けていく。」とお答えになったのは、みんなの励みになる言葉でした。
講演終了後、高校生に囲まれる大西さん。
昨年から引き続き関わっている調布市立武者小路実篤記念館のミュージアムグッズコーナーリニューアル。今年は2つの家具の製作です。
昨年はグッズ陳列のための家具でしたが、今回は展示機能を補うものとボランティア活動のためのものとなります。同じスペースに配置されるので、統一した印象となるよう使用材、寸法どりを同じものとなっています。
展示説明台。展示ポスターの掲示、関連シートの陳列、メモボードの置き台などを1つの家具に集約しました。ポスター掲示部分はマグネット対応のクロス張りです。トルクがかかるヒンジで掲示板の向きを固定できるようにしています。
ボランティアカウンター。ボランティア活動の受付台となるものです。前回の陳列カウンターと見た目を合わせていますが、ボランティアのグッズのサイズに合わせて収納を調整しています。
今回の納品で5つの家具がホールに並びました。竣工当初のスッキリした印象に近づくように、できるだけコンパクトに求められる機能をいれましたが、家具の数が多いので当初のイメージに匹敵とまでは至ってないように感じます。今後も引き続き改善を検討していきたいと思います。
実篤記念館は水のあるところに暮らしたいと決めたツイの住まい実篤旧邸に隣接しています。記念館自体もしっかり設計された良い建物ですが、旧邸やその庭も見所があります。
実篤旧邸。わずかな傾斜地に建つモダンな和風住宅
下の池。亀や鯉がいます。実篤先生が船に乗っている写真も残っています。
上の池。旧邸のテラスの前にあって下の池より小さい。湧き水が直接入るので水温が低いので、ニジマスを飼っています
伊賀市上野城下に立地する旧上野市庁舎の見学会に参加しました。
旧上野市庁舎は1964年竣工。設計は前に所属していた坂倉建築研究所で、三重県在住唯一の元所員として建物の動向を見続けていく役割を担っています。
建物は市の文化財として登録されたそうで、解体されることは先ずはなくなったとのこと。しかし再生利用に向けての作業は、切り出せてなく、保存活用を推し進めていた方々は未だに働きかけに頑張っています。
同じ坂倉作品では、今春に鎌倉の神奈川県立近代美術館がリニューアルオープン、岐阜羽島の羽島市庁舎は保存をして補完施設を周辺に建てることが決まったと再生利用の雰囲気が高まっています。
今回もドコモモ委員の鹿児島大学 鰺坂先生が説明役となっています。個々のパーツの見所をタブレットを使って昔の姿や関連画像を交えての説明は、建築関係ではない人たちにも分かりやすく、より建築への理解を深められるものでした。先に坂倉設計の日仏会館のイベント時に作られたパリ博日本館のウォークスルー動画も説明の中で見せていただき、コルビジェ→坂倉準三の設計思想がどれほど上野市庁舎の設計に反映されているかもより理解しやすいものでした。
鰺坂先生の案内風景。今では製作されることの少ない大きなスチールサッシの貴重さ、十分機能することの説明。
タイルの張り上げも現在の現場では滅多にみられません。
市役所現役だった頃は入れない市長室。城下が一望できる。
執務室の伝言。残置されてます。
構造設計や設備設計を力強くサポートしてくれる世界有数のコンサルタント、アラップ・ジャパンの清野新さんの講義です。アラップ事務所は世界に15000人が所属し、トップレベル建築家と協働している、憧れの事務所といえます。
・Design with Climate 計画地の太陽高度を反映させた計画
・Maximum the Site potetial 周辺の風・水などの利用
・Micro climate Design 微気候の把握・活用
についてそれぞれ実例を説明いただきました。設備設計が建物計画に合理的に反映され形が出来上がる魅力的なものでした。調査、シュミレーションにより、具体的なコストの算出ができ、適切なイニシャルコストで良い建物を作ることができそうです。
講義は三重大学のレーモンドホールで行われ、特に寒かったなか、暖房設備にない建物でも環境講義は身にしみるものでした。