静岡市中心部から車で20分ほどの日本平の山の中の施設。2007年創立、設計は世界的に著名な磯崎新さんです。大学の先輩が舞台絡みで最近訪れたと聞いて行ってみました。
眺望を活かしたり、茶畑を取り入れた地域感、谷地形の使った劇場など地形を利用した建物配置と建物形態の上手さは流石です。
外装の木材に少し痛みは出ていますが、素材感のある建物は自然の中にマッチしています。
磯崎さんの手掛ける計画は、運営面もきちんとしているように思います。この施設も、著名な方が運営に参画し、施設が継続して使われ、文化的な役割を果たしいるようです。市街地にある磯崎さん設計のホール(グランシップ)も連携しています。
2008年竣工、設計は西沢大良さんです。内外装とも線材の木を使った建物です。あいにくの雨天でしたが内部はトップライトからの光で明るくキレイでした。
細い線材での構成は、乱れやすいので荒れているかと思っていましたが、しっかりした印象でした。壁面の透け具合もきれいなグラデーションできちんと施工されている感じです。壁面に開口がないので少し空気がよどんでいる感じはありました。でも良い感じの建物。
2013年竣工、日建設計。ガス会社の本社ビルで通り沿い1階は全面ガラスのショールーム。駿府街道沿いの景観づくりに配慮した建物。県内産の木材のルーバーや再生可能エネルギー設備、コジェネ施設など地域のガス会社に相応しい環境配慮が盛り込まれています。真面目な感じの好感のもてる建物。
静岡市内には、ほかにも内藤廣さん設計の体育館や古くは白井晟一さんの博物館など、建築的評価の高い建物があります。東海圏で三重県はそんな建物がかなり少ない印象です。建物に対する関心もが薄くなるのではと気になります。